6年前にバーナデット・ロバーツのリトリートに参加した当時、私の中では悪者攻撃ブーム・エゴ編が真っ盛りでした。
当時の私は、エゴがなんであるのか、よくわかっているつもりでいました。でもエゴがなんなのかすっかりわからなくなった今、当時のことを振り返ってみると、エゴが何かわかっていたというより、エゴ=悪い、ということを信じて疑うことがなかった、というだけのような気がします。
・・・というのはさておいて。
とにかく、当時の私は自分がエゴの強い性格だ、ということ、エゴをどけようとしてもなかなかどけることができない、ということに苦しんでいました。
それをバーナデットに話したところ、
「エゴが強いのは何一つ悪いことじゃないのよ!しっかりした強いエゴがあってこそ、神を知る探求に向かうことができるのよ。真理を知るということは、やわな人間にできる仕事じゃないのよ!」
という、なんとも温かい、励まされる返事がありました。
彼女の表現の独特さ、語彙に関しては、色々意見が分かれるところかもしれませんが(^^)、当時の私にとっては非常な救いになりました。彼女自身が「私はエゴが強い(かった?)」と言ってはばからなかったこともありますし、何より言葉の根底にあった理解と優しさが、私を呪縛から解放してくれました。
バーナデットのエゴの定義で印象に残っているのは、What is Self?という著作の中の、”エゴとは、自分の思い通りに物事が進まない時におきる癇癪のエネルギー”だというものです。他にも様々な表現や説明をしていますが、(個人的に)これはわかりやすくて面白いと思いました。
A Passage Through Selfというビデオの中では、エゴの性質を以下のように説明しています。
”エゴは自分にとって最善のものを得るべく、全力で働く。だからこそ、神(真理)の探求に全力で向かう、ということが起こりえる。でも反対に、欲望を満たすことが自分にとって最善と思って、そのために下の下とも呼ぶべき行為に走ることもある。エゴには悪いことは何一つないが、その不安定さだけがやっかいである。”
ふむふむ。
エゴ、というのは他のすべてと同じく、実体のない概念です。良いもんでも悪もんでもありえません。また怠け者の私には、エゴという概念の定義を突き詰める根性もなければ、興味もありませんが、彼女のエゴを一切悪者にしないところは、聞いてて気持ちよく、とても好きです。