意外にも冷静な自分がいました。そして他にできることはないんだから、と、いつも通り座って瞑想をはじめました。
極度のストレスにさらされたとき、人の意識が特別な状態に入り込むというのは珍しいことではありません。起きているのでもない、寝ているのでもない意識状態の中、自分の身体の中と外が、まったく同じであること―どちらも空っぽで、かすかな境のようなものが、二つを分けているにすぎないことを体感しました。
赤い点は空間に満ちているエネルギーを表すと思って下さい。内と外の分けているベールは、かろうじて”私”の形を保っているような、それはそれはかすかなものでした。
この経験は、”私の身体は空っぽであり、外も内も存在していない”という強烈な認識を残しました。
この後しばらくして、自然にヴィパッサナからは離れてしまいましたが、今でも感謝や尊敬の念を持っている瞑想法です。
ちなみに当時のパートナーは奇跡的に全快しました。