2019年11月13日水曜日

自己探求 サイケデリック療法

昨年クリスマスを過ごした修道院の修道士のイメージ・・・気持ちは(^^;)

ここ10年くらいの間に、アメリカでは人の意識の研究が科学者や技術者の間でとても盛んに行われています。

神経医学の観点から、脳医学の観点から、はたまた心理学の、薬療法の・・・さらにテクノロジーの研究・開発が加わって、とても面白い話をYouTube始め、あちこちで聞くこと・読むことができます。
学会で”悟り”という言葉をテーマに使用した研究が、数年前から普通に発表されるようになったというのですから、びっくりです。

そんな中で最近、薬物療法を復活させようという動きも再燃しています。
60年代、ヒッピーの時代に盛んだったサイケデリック(幻覚剤)のポジティブな効能を見直そう、という動きです。

私が面白いと思ったのは、マイケル・ポーランというジャーナリストのレポートです。


マイケルは、何ごとも直接自分で体験することなくしてレポートを書きません。そのために料理もすれば草木も育て、家も建てました。今回はもちろん、幻覚剤を用いての治療を何種類も体験しました。

60を過ぎて初めての薬物。精神的に不安定だった時期もある彼は、毎回不安でいっぱいだったと言います。

そもそも私がマイケルに興味を持ったのは、薬物についてのドキュメンタリーを見たのがきっかけです。複数の科学者や心理療法士が出演していましたが、マイケルにはエゴ基盤でない人、”目が覚めている人”の空気がありました。

そこで彼の過去のビデオを見てみると、、、、
この薬物取材の前と後で、相当な変化を遂げているんですね。
この取材の前のビデオでは、”エゴ基盤でない人”の空気はありません。彼の立ち位置というか、生き方の基盤がまったく変わっているのがよくわかります。

そこで彼の著書、How to Change Your Mindを読んで(聞いて)みました。
面白かったです。

もともと精神世界にまったく興味のなかった人の口から、スルスルと明晰な覚醒の描写が語られるのを聞くのは、本当に新鮮でした。
通常触れることのできない深い意識状態を経験することで、マインドが自由になった、というマイケルの言葉は、彼の文章の豊かさ、レポートの明晰さに現れていると私は思います。

ドラッグを用いたセッションで、意識の拡大を経験しはしましたが ・・・薬の影響は醒めます。毎日毎日幻覚剤を使用するわけにはいきません(ちなみにアメリカでは違法です)。経験が素晴らしかっただけに、マイケルは元に戻ってガッカリします。

”どうしたらこの意識の覚醒状態を保つことができるんだ?!”と嘆くマイケルに、彼のセラピストは言います。
”薬を使ったセッションは、一瞥体験には近道だけど、それを日常的に保つようになるには、瞑想等が必要になるのよ。”

おおっと、結局瞑想の宣伝がしたかったんカイーーー
という、ツッコミは置いておいて(^^)

意識の研究にハマっていった科学者たちの多くは瞑想に行き着き、科学的実験・研究と日常的な瞑想というセットが、新たな日常になっていっているようです。

瞑想というのは自己探求、すなわち自分とは何かを探ることですから、研究者が最も身近な素材=自分を用いて研究する(=瞑想する)のは、ごく自然なことに思われます。

意識は究極の主観であり、その深みは体験的にしか知ることができないものである、ということを科学者たちは認識し、その直接的な探求の方法として、瞑想を実践することになるようです。

そのすべての動きの底辺には、”自分の本質を知りたい”、”すべての源を知りたい”という、人の中に埋め込まれている衝動があるんですね。


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←残念ながらまだ英語のみです。