2014年10月28日火曜日

マインドは本当のことと嘘を見分けられない

マインドは外界から刺激を受けると、”前にこんなことあったよね!”、と過去の記憶から関連するデータを素早く取り出します。そして、”あの時こうだったから、これはきっとこういうことだよ”、と記憶に照らして、起きたことに意味や解釈を与えます。それをもとに、次に取るべき行動について案を出してきたりもします。

問題は、その過去の記憶はあくまで主観的なもので、正しいとは限らない、今起きていることに必ずしも関連しているとは言えない、ということです。つまり、マインドには、本当のこととそうではないことの区別がつかないのです。

にも関わらずマインドは、”絶対こうだよ!”とか、”そうに決まってる、だっていつもそうだもん”、などと言います。そして私たちはそうした”頭の中の声”を、正しいものと思い込んでしまいます―少なくとも、私はそうでした。

デービッド・ホーキンズは、こうしたマインドの性質を明確に説明しました。そして通常の私たちの意識が、いかにそうした”頭の中の物語の詳細”に囚われているか、を指摘し、そこからズームアウトしていくとどうなるか、を素晴らしい明晰さで描写します。

小さな物語の主人公としての”私”ではなく、その”私”を見つめているもの、そして”私”という幻影を可能にしているものとしての私。一歩一歩、後ろに引いて、一点凝視の状態を離れ、全体像へ、意識を導いていきます。

”真実というのは、ある事柄を囲む諸々の条件、状況がある中においてのみ成立することであり、Aという事柄において真実であったことを、まったく違う条件で起きたBという事柄に当てはめることはできない。条件、状況を捨てて、真実を普遍化することはできない。”

あの人っていつもこうなんだから!―という思考が走るとき、”いつもって?”と、私は自分に突っ込みます。いつもっていつ?いつもって本当?そもそも、”いつも”ってなに?

関連記事:瞑想を通して起こりえること